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Q:なぜパン職人・菓子職人を志したのでしょうか?
A:子供のころからパン教室に通う母の影響で、手作りパンを身近に感じていて、小学校中学年にはもはや将来の夢は『パン屋さん』と心に決めていました。
Q:そしてなぜ南フランスへむかったのでしょうか?
A:日本の専門学校を卒業してパン職人として働いていたのですが、バケットを日常的に食べている国にはどんなにおいしいものがあるのか、またその文化に触れてみたいと思い立ちフランスへ行く決心をしました。
Q:それにしてもなぜパリではなくモンペリエ(南仏)へ?
A:単純に寒さに弱く暖かい場所へいきたかったんです!(笑)しかも海外へいくのは初めてで、パスポートを取るところからでした。フランス語も全然しゃべれないという…。まずは現地でホームステイをしながら語学学校に通って、おいしいものをたくさん食べてみようというのが目的でした。
Q:『ル・ペトロンドノレ』というパンとお菓子屋の店で働くことになったのは?
A:毎日あらゆるパン屋さんで食べ歩きをしている中で、とても気に入ったパンとお菓子のお店を見つけました。そして1か月間そのお店に毎日行って「ここで働きたい!」と伝え続けたのです。
ある時そのお店でいつものようにパンを食べていたらオーナーの息子さんがたまたまいらっしゃって「そんなに働きたいなら(親に)話してあげるよ」と間に入ってくれたんです。
Q:でも語学もまったくわからなかったわけですよね?
A:これまたラッキーなことにホームステイ先のマダムとムッシュがオーナーと知り合いだったんです。そして働く上でのお話を、二人が間に入って進めてくれました。
職場では言葉で苦戦しましたが、パン作り・お菓子作りは体で覚えた感じです。半年間働きました。
本当はすぐにまたモンペリエに戻るつもりで荷物も置いてきたくらいだったのですが、日本に戻ったら忙しく働き始めてしまって、あっという間に約10年の時間がたってしまいました。
2013年郷土菓子などの研究のために再び南仏を訪れる際に連絡をとってみたら、タイミングよく同じファミリーのところへステイさせていただけることになりました。
さらには前に働いていたお店の系列店で働く機会にも恵まれました。私が働いていたお店はとても大きくなっていてビックリ! モンペリエでパン屋さんがいくつもの店舗をもつのは珍しいことだと思います。
Q:南フランスで感じた日本との違いを教えてください。
A:南フランスの方たちはとてもおおらかで自然体です。でも自分の意見ははっきり言います。遠慮しない。そして家族の絆が深く、とても大切に思っているのが伝わります。愛情表現もストレートですね。
働く人たちはとにかくバカンスを楽しみにしていて、その為に働いているといってもいいくらい。バカンスの話になるとみんな目を輝かせます。自分や家族との時間をとても大切にしているのでしょうね。
日本は便利でルールがちゃんとしていますね。 あと人がやさしく律儀。そのことはフランス人にも感じてもらえているようで、ホームステイ先は色々な国から人が来るようでしたが、母国に戻ってもたびたび手紙やメールをくれるのは 日本人だけみたいですよ。
Q:日本でも今アーモンドが美容食として注目されていますが、なぜアーモンド菓子専門店をはじめたのですか?
A:ブームに着目したということでは全然なかったんです。南フランスを中心にたくさんの郷土菓子なども味わって、 多くのお菓子にアーモンドが入っていることに気づいたんです。 日本ではアーモンドはそのまま使ったり、トッピングなどに使われる印象ですが、フランスのお菓子にはペイスト状で練りこまれていたり、初めはわからずにいて「このテイストはなんだろう?」と探っていったらアーモンドにいきつきました。 フランス人にとってアーモンドとは日本でいうところの“あんこ“に近い位置なのではないでしょうか?
色々しらべていくと美容に良い食材であることを知りました。 アーモンドを食べると老化防止につながるという説があります。活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、さらには女性に必要なカルシウム・鉄分・ミネラルなども豊富!美味しいうえに体に良いのです。
食べて美味しく楽しく健康になれるのはとても魅力的ですよね!
Q:アーモンド菓子の楽しみ方を教えてください。
A:たとえばしっとり焼き菓子の“ワッカ”ならばあっさりとしたコーヒーや日本茶、アーモンドを潰して 練りあげたなめらかな“クッサン・ド・リヨン”なら深煎りコーヒーやお抹茶、スパークリングワインなどの アルコール、細かく砕いたアーモンドと柑橘系のフルーツを練り上げたさわやかな“カリソン”ならば ストレートの紅茶やハーブティーなどとそれぞれ相性抜群です。
また結婚式で『ドラジェ』が配られるように、アーモンドがもつ言葉の意味からおめでたい場での ギフトとしても古くから愛されています。
※アーモンドのもつ言葉の意味とは『希望』『真心の愛』『永遠の優しさ』 ギリシャ神話や旧約聖書でも『豊かさ』のシンボルとされています。
気持ちのこもったギフトとして、贈る方にも安心して選んでいただけるのではないでしょうか?
アーモンドプードルがしっかり入った“ワッカ”
レモンが爽やかな“カリソン”
Q:店内やパッケージなどのイラストも手掛ける安田さん。イラストも以前から勉強されていたのですか?
A:実はまったくの独学なんです。 お店をスタートさせる上で、オリジナリティをだしながら楽しくアーモンドの魅力を伝えるために お菓子のルーツやオリジナルストーリーなどもイラストで表現してみました。 そのキャラクターをパッケージや店内でも展開して、お客さまに楽しんでもらえると嬉しいなと。
隠れピニョルを探すのも楽しい
Q:仕事をする上で大切にしているものがあれば紹介してください。
A:モンペリエから日本へ戻る最後の日にホームステイ先のマダムが、その場で摘んだラベンダーの花をそっと渡してくれました。今でも封筒に入れて大切に持っています。
10年以上の時間がたってるのに、ほのかに香りも残っているのです。 香りの中での記憶…とでもいうのでしょうか? このラベンダーを香るとその当時を思い出し「もっともっと頑張ろう!」という元気パワーが ムクムク湧いてきます。
Q:最後に仕事や日常でこだわっていることを教えてください。
A:ずばり“笑う“こと。笑顔を大切にしたいです。
これはもう子供のころからで、自分の周りの人が笑ってくれる・喜んでくれることに幸せを感じます。 自分も笑顔で過ごして、一人でも多くの方に健康で笑って過ごせる日々を楽しんで欲しいと願っています。
“楽しいオーラ”はきっと伝わると信じていているので。
安田さんが描くオリジナルイラストが入ったポストカード3 枚セットを、抽選で5名様にプレゼントいたします。プレゼントの応募にはBEARDSLEYのメールマガジン会員登録が必須となります。
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※プレゼントの発送は3月下旬を予定しております。
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製菓学校卒業後パン職人として働いた後渡仏。南フランスでパン職人・菓子職人として働いたあと2006年に帰国。2014年、郷里の和光市で日本初のアーモンドスイーツ専門ブランド“パパピニョル“を立ち上げる。
■PaPa Pignol
埼玉県和光市新倉1-10-76
TEL:048-235-0428
営業時間:
11:00~19:00(平日)
10:00~18:00(土日祝)
定休日:木曜日