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Q:まずはなぜパリへ移ったのですか?
A:95年夏、それまでもヘアメイクの仕事を日本でしていたのですが、撮影で海外を訪れる機会もありました。
そんな中、青い空・青い海・そして大好きな犬がたくさん散歩していた南仏で一度暮らしてみたいという気持ちになりました。3か月のつもりで渡仏して、結局11か月滞在しました。
日本に戻りしばらく仕事を再開していたのですが、思えば11か月という長い時間滞在したにもかかわらず、ほとんどフランス語がしゃべれないままで、せっかくだったらきちんと語学を学びたい、そうすれば何か他の道も開けるかもと再びパリの語学学校へ通うことに。この時も3か月のつもりが今日に至る友達や仲間との出会いにも恵まれ、結局4年間勉強することになりました。
Q:では、なぜお仕事につながったのでしょうか?
A:ある時フランス人のトップヘアアーティストが日本でコレクションをすることになり、参加してみないかとのお声かけをいただきました。これをきっかけにヘアアーティストとしてパリで再スタートすることになりました。
その後、パリでコレクションやファッション誌のお仕事をすることに。また日本のブランドや雑誌でパリ撮影をする際のスタッフとしてお声かけをいただくようになりました。
BEARDSLEY<ビアズリー>のパリ撮影に参加したこともあります。
Q:東京とパリの両方で仕事をされているTomokoさんが感じる2つの国の違いを教えてください。
A:まずは仕事の違いとして、パリは創ることにとても時間をかけます。
撮影現場でのライティング・スタイリング・ヘアメイクにも時間制限がなくフォトグラファーは納得するまで撮り続けることも多いのです。
東京の仕事は時間がタイトではありますが、モデルやスタッフに対する日本人ならではの気遣いやケアがとても細やかに感じます。生活の中で感じることは、パリは街並みがとても美しい。中世の古い建築物が残っていて、国民はそれらを愛しともに暮らしています。建物や調度品など街のいたるところでアンティークと現代の調和のよさを感じます。
東京はとにかく便利です。街が衛生的でキレイです。あと人が優しい!フランス人は日本人の人柄の良さと文化を高く評価していて、親日家が多く日本に行きたいと思っている人がたくさんいます。そのことは、パリで仕事をしている自分にとってもとても誇らしいことだと思っています。
Q:仕事に必ず持っていくもの・大切にしているものがあれば紹介してください。
A:母の帯と帯締めを自分でアレンジして手作りしたシザーケースをいつも持っています。
モデルやスタッフの方々が興味をもってくれてコミュニケーションのきっかけになることもよくあります。日本の伝統的なものを褒めていただけるととても嬉しいです!
Q:最後に仕事や日常でこだわっていることを教えてください。
A:仕事では、求められることに関しては、まずはトライするという気持ちです。
チャレンジする気持ちを持ち続けることですね。
またその人の持つ個性(顔の型やスタイルなど)も活かしたいと思っています。流行などももちろん気になりますが、パリの女性が素敵なのは自分の活かし方、表現の方法を知っているからだと思います。
年齢を重ねることも恐れずに自信を持って過ごしているから美しい。日本人のわたしたちも真似したいところですね。
<ヘアアレンジ>
パリジェンヌのような“まとめ髪“をTomokoさんにお聞きしたところ秘訣は髪の質感とのこと。ここではその髪の質感の出し方やアレンジのコツをお聞きしました。
「パリジェンヌは好きなものを貫きます。手の込んだ編みこみなどはあえて好まず寝起きヘアくらいのラフな感じがちょうどいいくらい。とはいえ本当に寝起きヘアだとだらしない印象に。ポイントは髪の質感です。まとめ髪でも手抜きやくたびれた感じにならないようなポイントをお教えします!」…Tomoko
バックスタイル
サイドスタイル
1:まずは質感作り
パサついているところや毛先に美容液をつける
※全体につけなくても痛みや毛先など部分的にで充分です。オイルでもOKですが美溶液の方が軽い仕上がりになります。
2:ブロウで毛先のもつれを解消
毛先のもつれや毛の流を整えるために毛先を軽くブロウ
※こちらも全体ではなくてかまいません。毛先だけ整えるだけで仕上がりが違います。結構このブロウがポイントです。
3.髪の間にスプレー
まとめやすくするために髪の間にスプレー
※仕上げ用の固めるタイプのスプレーではなく軽いもので。空気を入れるように髪の間にスプレーします。
4.きゅっと結ぶ
結び目の下部分がすっきりたるまぬように結ぶ
※結び目下がもたつくと少し老けた印象になるので、すっきりとさせましょう。結び目上は逆に少量つまんで膨らませます。またトップもねじりながら部分的に軽くひっぱってニュアンスをだします。
5・最後にスプレー
こちらも決して固めるようなハードなスプレーではなく軽いもので
※仕上げのスプレーを全体的にすることでエアリーな結び髪が完成!!
~ワンポイントアドバイス~
●前髪部分だけポイントでヘアアイロンを使うとナチュラルなウェーブがつくれます。
●分け目はまっすぐではなく無造作にジグザグさせるのが今パリでは人気です。
●くしに少量スプレーして後れ毛を整えると疲れた感じではなくニュアンスのある後れ毛がつくれます。
●作ったニュアンスをキープするにはスプレーなどで固め過ぎず、見えないようにUピンをとめると自然なウェーブを保てます。
BEARDSLEY<ビアズリー>では「結んだり、巻いたり、ねじったり」を表現した洋服が揃います。
パリのお菓子やパンの技法イメージしたコレクションです。是非チェックしてみてください。
http://www.beardsley.jp/news/detail-150127/
TOMOKOさんのinstagramはこちら
http://instagram.com/tomoko_ohama
パリと日本で活躍するヘアアーティスト。雑誌・広告・カタログ撮影等で日本・パリ・アメリカ・アジア他世界のアーティストとコラボレーションしている。近年はメイクもおこない活躍の場を広げている。