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CREATORS EYE

Vol 13
2015.04.10

生活に取り入れたいグリーン

『ビアズリー』の4月のテーマは“マルシェ”。
きれいな花の色、新鮮なフルーツ、チーズにオリーブ、香ばしいバゲットの匂いがどこからともなく漂い、馴染みのお店でコーヒーを片手に一休み…。フランスの日常にある朝市の風景を切り取ったイメージを今期『ビアズリー』がシーズンカタログで表現する際選んだのが、パリのアンティークショップのような気分が味わえるグリーンショップ『ブリキのジョーロ』でした。今回はオーナー勝地さんにお話しをお聞きしました。

お店をはじめたきっかけ

Q:グリーンショップをはじめたきっかけを教えてください。

A:今から20年くらい前、⼦育てもひと段落して何か始めたいと思っていた時に、近所に⾦曜⽇だけやっているヴィンテージファブリックなどを扱うお店があり、こんな感じのペースならば自分にも何かできるかもと思い⽴ちました。

もともと若い時にアパレルメーカーを⾃分でやっていたこともあり、何か感性を⽣かせる仕事を再開したいと考えました。その頃ちょうどガーデニングブームということもあり、興味があったグリーンを扱うお店をはじめることに。初めから自分が好きなグリーンと白い花にこだわったお店にして、多肉植物などもその当時から扱いました。

ワークショップにも、そもそも興味があったのでOPEN後すぐにスタートしました。大人の為のワークショップはもちろん、子供たちが楽しめるワークショップも始めたところどちらも大盛況!お店の前にお迎えの⾞が何台も並んで渋滞になるほどでした。(笑)

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お店の入り口に広がる気持ちの良いガーデンスペース

その後NHKの番組から出演のご依頼を受け“グリーンスタイリスト”としても活動することに。当時は“グリーンスタイリスト“といった前例がないので、台本なども⾃分⾃⾝で⽤意しなければいけないような時代でした。ただでさえ大変な作業に加え、国営放送という表現上のルールが厳しい中での台本作りは思いのほか苦戦しましたが、それもまた懐かしい思い出です。

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6〜7年前から2Fスペースも活用している

 

フランスでの買い付け

Q:アンティーク雑貨などでの演出も素敵ですが、実際買付などに⾏っていらっしゃるのでしょうか?

A:年に1回〜2回はショップのスタッフと⼀緒に南仏に買い付けに⾏きます。おもにアヴィニョンやモンペリエ、リヨンなどに足をのばします。お店のディスプレイはとても⼤切にしているので、アンティークの買い付けはかかせません。不思議なもので自分自身が納得して即決して購入したものは、お客様にもすぐに受け入れられるのです。

買い付けで訪れる南仏での楽しみの1つとして“マルシェ”にも足を運びます。キッチン付のホテルにステイするので“マルシェ“でバゲットやフルーツなどを買ってきて、その土地に暮らしているように楽しみます。

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お客様に楽しんでいただけるディスプレイを
常にイメージして買付しているそう

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アンティーク小物を使ったディスプレイは
インテリアに取り入れたいヒントがいっぱい

生活に取り入れたいグリーン

Q:グリーンの魅⼒や初⼼者でも扱いやすい種類など教えてください。

A:やはりお手入れがしやすい多肉植物はおススメです。
乾燥した自然環境で生き延びるために進化した植物なので水分を蓄えている為、水やりを頻繁にする必要がありません。水をあげないでカラカラにしてから水をたっぷりあげるなどのメリハリを与えることで思いのほかシャキッとすることもあるくらいです。色々な器でアレンジできるのも魅⼒。⾃分の部屋のインテリアとして気に⼊ったアレンジが楽しめます。

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ガラスビンに⿇布をからめた⾒せ⽅は、
すぐに真似できそうなアイディア
左からゴーラム・⾦のスプーン・フロスティ

エアプランツも同様に扱いやすい植物です。こちらもこまめな水やりが必要ありません。
多肉植物は日中気温があがってから、エアプランツは夜お水につけるのが水やりのポイントです。

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お店にはさまざまの多肉植物がならんでいる
お気に入りの器に植え替えて自分らしくアレンジしたい

 

こだわりの1品

Q:仕事の時必ず持っていく物や⼤切にして物があれば教えてください。

A:これは⽇々というより買い付けなどの旅に⾏くときに必ず持参するのですが『OPINE』というフランス製の折りたたみナイフと特別に調合してもらうアロマです。

ナイフはたいがいのフランス人かもっているメーカーのもので、旅先でバゲットやフルーツを食べるときに使ったり、買い付けたアンティークを梱包するのに使ったりと、とっても万能な旅の友です。アロマは買い付けに出かける前にその時の体調や状態に合わせて調合してもらいます。最近も“フランキンセンス”という古くから神聖なものとして扱われてきたアンチエイジング効果のある精油を調合してもらいました。

旅先でストレスなく楽しめる時間を過ごせることは、とても⼤切なことだと思います。

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旅にはかかせないナイフとアロマ

かわらぬ気持

Q:最後に仕事や日常でこだわっていることを教えてください。

A:まず仕事ではお店のディスプレイを⼤切にしています。
なるべくこまめにお部屋の模様替えのように、スタッフと相談しながら自分たちも楽しむ気持ちでディスプレイをします。自分たちが飽きてしまうとお客様にも楽しんでもらえないと考えているのです。

プライベートでは美味しいものを食べることを楽しんでいます。東京一美味しいと噂のパン屋さんに並んだりすることも!よいものを口にすることで気持ちも豊かになります。仕事もプライベートも“楽しむ気持ち“を、いつもまでも持ち続けていたいと思うのです。

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仕事もプライベートも“楽しむこと“を忘れずに

〜スタッフをとても⼤切にしている勝地さん。たまたま今回のイメージカタログに掲載されている『ANNE BECKER』のBAG(『ビアズリー』でも毎シーズン人気のブランドです)を「このBAG素敵!」と言っていたのを聞いていたスタッフたちから、お誕生日にサプライズプレゼントしてもらったと嬉しそうにお話されていました。ブランドとしても、とても嬉しいお話でした。〜

アレンジアイディア

IMalt=「何年も前に訪れたフランスのホテルの入り口に飾られていた花は、その庭で摘んできたような草花が無造作にアンティークジャグに入れてあるだけなのにとても素敵だった記憶があります。パリでは数年前から“シャンペントルブーケ”と呼ばれる野の花を摘んで束ねたようなブーケが人気です。今回はそんな“シャンペントルブーケ”のアレンジをご紹介します。」勝地末子

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左からクレマチス・クリスマスローズ・ツリージャーマンダー・バイモユリ・ローズマリー・ミニバラ・シード・ラベンダー・マートル・ハーブゼラニウム

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①最初にあらかじめ花器に合わせて⻑さを決める

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②マートル・ハーブゼラニウムといったカサになる葉物でベースを作る

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③ベースにしている葉物のまわりに自由に花やハーブをからめていく

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④全体が決まったら茎を整える

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⑤バラバラにならないよう麻ヒモなどできゅっとまとめる

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⑥お気に入りのジャグに入れて
素敵な“シャンペトルブーケ”が完成

<ワンポイントアドバイス>

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・野草を切るときは茎が分岐しているところの少し上の部分をカットする

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・何かをメインにするのではなく、自然な雰囲気で束ねるのが“シャンペトブルーケ”らしい味わい

勝地末子 / ブリキのジョーロオーナー

自由が丘の人気グリーンショップショップオーナー。
グリーンスタイリストとして、あらゆるグリーンのアレンジ、ディスプレイの提案、庭のプランニングなどを手がける。独特のスタイリングで、スタイリストや著名人にもファンが多い。著書に『グリーン、多肉植物、エアプランツアレンジBOOK』(エクスナレッジ)・『はじめての多肉植物ライフ』(誠文堂新光社)がある。
「趣味の園芸」(NHK)などに出演経験も。

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