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Q:今シーズンは“Atmosphere(アトモスフェール)”という言葉を選んでいますがどのような
イメージなのか聞かせてください。
A:なんとなく以前より言葉のもつ響きが好きで、パリでよく見かける雰囲気のある女性をイメージすることができるニュアンスのある言葉だと感じていました。
また自分自身もパリに行った時に感じることができる、その場所の情景や空気感を雰囲気として身に纏って特別な日常を過ごす感覚というのでしょうか?そんな気分を今期イメージしてみたかったのです。
Q:【BEARDSLEY】が今までもこれからも変わらないであろうこだわりの部分をお聞かせください。
A:ブランドにかかせない“刺繍“や”コサージュ”などのハンドワーク的な要素に代表される『女性が永遠に好きな物』というか、いくつになってもどんな流行があっても『やっぱり好きな物』というか、曲線的でしなやかなで女性らしさを感じられる物へのこだわりは変わらず持ち続けていたいです。
もちろん他の物に目が行くときもあるのですが、自分らしくいたいと感じた時に何度でも戻ってくるような、そんな存在でしょうか?
着ることによって心躍りながらも、自分らしくここちよくいられる服を提案し続けたいと思います。
今シーズンのテーマ“Atmosphere”をイメージした
ビジュアル撮影風景
Q:今シーズンの立ち上がりには過去人気の商品を再現するとのことですがどのようなアイテムがあるのでしょうか?
A:過去のオリジナルプリントを復活させたり、そのプリントを組み合わせパッチワークなどにしたブラウスやワンピースなどをご用意しました。また過去人気のあったチュチュキャミソール付きニットも再現します。
【BEARDSLEY】をずっと見てきてくださって、好きだと感じていただいているお客様との思い出と過ごした時間を振り返りながら楽しめる商品を提案したいと思っています。
Q:今シーズンは『TOI ET MOI(トワ エ モア)』フランス語で「あなたとわたし」というシリーズで店頭イベントなどを展開する予定ですが、犬・子供・生活の3テーマを選んだ理由や内容を教えてください。
A:ブランドは来年10周年をむかえるのですが、お客様とブランドが長らくつながってこれたことに感謝して何かイベントを考えたいと思い「あなたと私」といった“つながり“をテーマに『犬』『子供』『生活』という身近な3つのテーマで展開をしたいと考えました。
※イベントの展開時期は変更になる可能性があります。
『犬とわたし』展開時期:3/16 ~4/10
なんといっても自分自身が犬を飼ったことで、生活の変化があったことなどもありこのテーマをとりあげました。
以前より犬を飼いたい気持ちはあったものの、生き物に対する責任や命の尊さを考えると、なかなか思い切れなかったのですが、ある時ふとペットショップで目が合ってしまった子がいてなんとも抑えきれず、3年前から飼いはじめました。
それからは犬中心の生活が始まりました。散歩のおかげで早起きになり、今までは気づかなかった細い路地や犬が同伴できるカフェに立ち寄るなど、行動範囲が広がりました。犬がいることで心と生活にゆとりができて、日常をより楽しめるようになったのが何よりもの変化だと思います。
今回、レディースウエアとお揃いで楽しめるウエアや、フランス老舗ベルトブランド【MAISON BOINET】にお願いしたオリジナルリードなど【BEARDSLEY】初のドッグアイテムを是非ご覧いただきたいです。
黒目に惹かれてしまった愛犬『タバサ』
アンティークリボンを首輪代わりに
『子供とわたし』展開期間:4/28~5/8
時が経ち長年通ってくださっているお客様がママになったり、3世代でご来店くださるお客様がいたりと、以前も少し取組のあった子供服のリクエストは常にいただいており、今回の「あなたとわたし」で子供服の提案はピッタリなのではとテーマの1つにしました。
今までもコラボアイテムをお願いしていた日本人デザイナーが提案する【HiROMI THiSTLE(ヒロミシスル)】とコラボして、ママとお子様がおそろいで着られるアイテムを展開します。
けしてフェミニン過ぎないレース使いなどにハッとさせられるこのブランドとのコラボアイテムは、ワンピースやトップスなど着やすい素材でありながら、デザイン性もあるので親子のちょっとしたお出かけにピッタリなコレクションになっています。
過去何度か取り組みのあった子供服も
今シーズン久しぶりに展開する
『生活とわたし』展開期間:5/28~6/12
お客様とお話させていただくと、近年お料理やライフスタイルなどへのこだわりを持ち、丁寧な暮らしを楽しんでいる方が多くなったと感じるようになりました。そんな生活の中に【BEARDSLEY】の提案する生活雑貨を取り入れていただきたいという想いでこのテーマを選びました。
日常になにげなく使う物にもこだわりを持って楽しんでいただきたいと、今回はヘンプマットや靴下・パジャマ・タオルなどのオリジナル商品を限定販売いたします。
時期は梅雨時のイベントとなりますが、そんな気持ちが沈みがちな時こそ快適に過ごせるよう肌触りやオリジナリティにこだわったラインナップを、是非店頭で手に取ってお楽しみいただきたいです。
生活に欠かせない器は自身もつい手にしてしまう一品
茶器は真鍮の持ち手とフォルムが気に入って購入
Q:ご自身の中で定番的にこだわり続けているアイテムなどあれば教えてください。
A:ブランドとしても毎回シーズンテーマに合わせて扱う“布BAG“は私自身の定番としても日常的にとりいれている アイテムです。決して主役ではないのですが、色目やプリントなどで遊べたり、実用面でも仕事の資料やパソコンなどを持ち運びしやすかったりで重宝します。
条件としては、A4サイズの書類がはいること、旅先で夜ちょっと食事にでるときに使いやすく、さりげない存在感があることなどがあげられます。
ブランドで作った“布BAG”はそのシーズンのテーマであるプリントやモチーフが施されているので、自然に集めてしまいます。自分の定番の定義は、使いやすい事とさりげなく個性が光って、持っていて楽しい気持ちになれるものということ なのかもしれません。
さりげないアイテムながらそのシーズンを象徴する
布BAGコレクション
Q:仕事以外のことで今一番興味をもっていることがあれば教えて下さい。
A:先ほどもお話したイベントテーマの中でも『生活とわたし』の取り組みをあげましたが、自分自身もここちよく生活することに興味を深く感じています。そのなかでも器への想いは年々膨らみ、海外・国内の出張などで訪れる場所でも、つい目がいってしまいます。
パリでは、日本では高くてなかなか手がだしづらい【Astier de Villatte(アスティエドヴィラット】を1枚ずつ買い集めるのも楽しみのひとつ。今までは割るのが怖くて特別な時にしか使っていなかったのですが、日本の文化である『金継ぎ』をほどこしても素敵であることを知り、自分でも取り入れたいと思っています。
割れた器を修復するだけでなく、以前よりも価値のある味わい深いものにしてくれる『金継ぎ』は、物を大切にする日本の文化として、とても興味を持っています。
お洋服もそうですが、もちろん新しい物もその時の時代や気分でプラスしていきたいけれど、気に入った物は手入れをしながらでも長くつきあうことも、大切にしていきたいと思うのです。
新しい物も必要だけれど気に入ったものを長く大切に
使う気持ちも持ち続けたい
〈BEARDSLEY〉ディレクター2007年〈ビアズリー〉を立ち上げ、デザインからショップの内装、セレクト商品の買い付けなどブランド全体のディレクションを担う。パリやアンティーク家具にも精通。